「彼女がその名を知らない鳥たち」を見た

松坂桃李がなぜかグイグイくるところまではめちゃめちゃ面白かったんですけど、なんかこれ……好き要素が揃ってるのにここまでつまんねーかってくらいつまんなかった。なんかウェットでディープなテーマに反して演出が軽い気がした。とくに最後ベンチで隣同士で座ってべらべらしゃべるとか、死ぬ直前に出会いからのいい思い出が走馬灯のように流れるとか、なんかライトな恋愛邦画みたいなんよ。そういう狙いかもしれないけど、私はもっとガッツリ汚くしてほしかったなっていう気持ちがありました。セリフも説明的な気がしていちいち気になった。多分この映画は「言葉」が重要で、桃李と竹ノ内は本から引用した言葉を自分が考えたみたいに話したり、守れない約束したりして嘘八百なんだけど、阿部ちゃんだけが終始言ってることとやってることが一貫してる、というテーマが底流してるんだろうけど、けどそれにしたら言葉がなんか野暮ったすぎねーか!? ていう。最後阿部サダヲが鳥になるのもなんも脈絡なくて意味不明やしな……。お前の子供になるてゆーてたやん!! みたいな……。今のところツマンナイオブザイヤーです。でもこれよりツマンナイ邦画は世の中にクソほどあるやろうなとも思う……。

 

同監督の「凶悪」も結構つまんねーなと思った(たしか子供の運動会みたいなカメラワークだなと思った)けど世間では評価高かったから、私、多分この監督と合わないんだろうな……なにかが……。おじいちゃんの死体焼いてて焼肉食べたくなっちゃうシーンとか好きなんですけどね。なんか「彼女がその名を~」でも阿部ちゃんが死体処理を告白した直後にお肉食べてたから、この監督にとってみんなでお肉食べることって、なんか大事なニュアンスがあるんじゃないかな。知らんけど。