本の貸し借りはまじでやめよう

 脚本術の本を探して部屋中ひっくり返していた。すると、積み重なった本の最下層から、他人から借りたまんまの本が出てくる出てくる……。極悪非道な所業と分かっているのだが、私には人に借りた本を返すのをすっかり忘れてしまう、というか積極的に忘れた風にする悪癖がある。しかも大体、本を貸し借りした人とは縁が切れる。なんでか考えたんだけど、本をやりとりする時点でちょっと焦ってるんだと思う。はよ距離縮めたいとか、距離縮めたほうが仕事が捗ってオトクかもしれんとか。自分の心は開示したくないけど、相手の心は掌握しときたいみたいなときに、無意識に本の貸し借りを使う。そんな打算の関係は続かない。あとは、好きな本を読んでほしいという「我」が強いために、ドサッとたくさん貸してくるタイプもいた。私は調子のいい性質なので最初は頑張って読んでしまい、やがて頑張りが続かなくなって積む。やがて実は読んでないねんーと言うのがめんどくさくなり……みたいな感じ。ドサッと貸してくるタイプの奴、大体自分のことわかってほしいが先行してて他人のこと気にしてないから中身も全然好みじゃないねんよな……。ゆーて返すの忘れるほうが最悪なことに変わりはないのですが。最近ではパターンがわかってきたので、本を貸したい、借りたいって衝動が出てきたときに意図的にストップをかけています。関係性を縮めるのに焦ってねーか、また自分を隠したまま楽してショートカットしようとしてねーか、とか……。

 はたして、目当ての本は出てきませんでした。