私をハコに詰めるな

マンガを描いていない時間にマンガのことを考えるほどマンガの腰が重くなっていくのな~んでだ? おい…クソッばかやろう。クソクソファック。なんなんだよ人間の心のはたらきというやつは。クソばか野郎…。ふざけてやがる。
 
私は他人のことをすぐ好きになってしまうタイプなんだけど、別に相手のいいところをすごく見つけてるわけではなくて自分の中の理想のビジョンを相手に投影して勝手に好きになってるな~ってことに薄々ずっと気が付いていたけどもう認めないといけない。今の恋人はかなり注意深くビジョンを投影しないように解像度高く人として見ていて、なので正直言って3センチぐらいしか好きじゃない。大変だ。どうしよう。恋人は周囲が結婚しまくっているのでめちゃくちゃ焦っていて早く結婚して幸せな家庭を築きたいとかクソ恥ずかしい安っぽいことを平気でガンガン言ってくる。料理教室に通っているらしい。なんだてめぇは。誠実か。クソ…。バカ野郎。口を開けば「クソ」と「疲れた」しか言ってない。こんな女と「幸せ」な「家庭」が「築ける」と思ってるのか? 私をよく見ろ。お前のビジョンを投影するな。
 
私は今「脱常識」の位置にいる。地元を離れたので近所に知り合いは誰もいない。会社でも私を表立って咎める人間は誰もいない。家族も親戚も全員、私を腫物のように扱うから「結婚しろ」とか「子供を作れ」とか絶対に絶対に言われない。常識ルートから逸脱しているのに超快適な脱常識。しかし、恋人が私を再び常識のルートに戻そうとしてくる。ハコに詰めようとしてくる。やめろ。私をハコに詰めるな。