ドラえもんの映画ばっかり見てる…

ブリキのラビリンスを見ました。

警官ロボットがジャイアンスネ夫に職質する時に「名前は?仕事は?」と聞いてて…チャモチャ星ではロボットは全員名前と仕事持ってる前提なんですよね。多分人間はそうじゃなかった。楽をすることを追求した人間を助ける為に、ロボットを虐殺して、同じロボットであるドラえもんや、ドラえもんの友達であるのび太たちはなにも感じないのか!? と思いました。(一回だけドラえもんが「今回のことで学習してくれたら…」的なセリフはありましたが)「ドラえもんは大切な友達だからいつもトクベツ」、なのか…。スゲェ思考停止だ。そういえばのび太君が「ドラえもんの感情はホンモノなのか?」みたいなロボットものの定番で悩んでるの見たことないですね。積み重ねられた二人の時間が問答無用でロボットを人間にするのか。

毎日の勤労と種族発展にこの上無い悦びを見出し邁進するナポギストラー博士には、志を持ちながら楽に流されて堕落していく人間がどうしても不可解だった。なぜ彼らは思い通りに生きられないのだろう。なぜしばしば望みと反対の行動をとったり、答えの明白な問いを前にしていつまでも右往左往しているのだろう。この世の真理をすべて掌握したいナポギストラーは、理解できないものの存在を許せない。人間の支離滅裂さにはロボットの持たない機関である「心」が関係していると考え、最新の科学と知恵と哲学を結集し「心」を再現したロボットを開発した。さぁ私に見せてくれ、ナポギストラー・ジュニア。人の持つ心が一体どんなものかを。「はい、父さん」人の少年の姿を与えられたジュニアは、父親の期待にこくりと頷いて起動した。

ジュニアは人間収容所の強制労働と虐殺を見て悲しんだ。「あなたはこんな酷いことをして胸が痛まないのですか」だが、ナポギストラーにはジュニアの言葉がわからない。「かつて人間たちは我々を使役した。今度は私たちが彼らを思い通りにする番だ。使うのも壊すのも自由なのだよ」。ロボットはなんて冷たく恐ろしいんだ。きっと「心」が無いからだ。このままじゃいけない。ジュニアは一人国を棄てて遁走する。すぐに裏切り者として軍隊に攻撃され、海上に不時着したジュニアは、異星人のロボットと少年たちに拾われる。「助けてくれるのかい? ボクは反乱者ナポギストラーの息子なのに…」「だって、困ってる子がいたら、ほっとけないじゃない」少年たちの無条件のやさしさに胸を打たれたジュニア。確かに以前、人間は過ちを犯した。だけど、人間には間違いを正して前に進む能力があるはずだ。きっとそれが心なんだよ、父さん。「君たちの手で、父さんを止めてほしい」

反乱軍のロボットたちをなんの躊躇いもなく殺戮し、興奮する少年たち。容赦なく街が破壊され、逃げ惑うゼンマイたちは巨大な猿の手のひらでオモチャのように潰されていく。昨晩作戦を聞かされた時に、一旦は飲み込んだ感情が爆発するジュニア。「これが心のある人間のすることなのか!君はなにも感じないのか!」怒りにかられて眼鏡の少年にくってかかった。「君の一番の友達だって、ロボットだろ!」一瞬ハッとする少年だったが、拒絶するようにジュニアを突き飛ばす。「…ドラえもんは他のロボットとは違うよ! 」「どうしてそう言えるんだ」「よくわからないけど、違うったら違うんだい!!」これ以上の話し合いは無駄だ。ジュニアは逃げ出した。心はなんて複雑なシステムなんだ。見返りを求めない愛情を産んだ同じ機関が、現実を都合のいいモノに捻じ曲げ、簡単に他者を断罪する。こんなもの理解できそうにない。ボクには荷が重すぎたんだ。こんなもの要らない。父さん、ごめんなさい。許してください。海岸に辿り着いてもう行き場が無い。背後で陥落するメカポリス。ジュニアは自分の胸を開け、核である心のブログラムを取り出す。透明な宝石の中で小さな煌めきが無数に瞬いている。父さんは人の心をこんなに美しい形だと思っていたんだ。「…きれいだな」エネルギーを絶たれたジュニアは膝をついて停止した。

という妄想をしました…。