ダークな気分

登山する服をそろえようと思ってアウトドアショップに行った。ズボラしてユニクロで買おうと思ったけど、どうしてもズボンとレインコートだけは無かったからだ。ショップの店員さんはどこに行ってもちょっと強引で、大きく分けて二種類いる。1.山、めっちゃ怖い。最近の若いヤツマジナメとる。せやからこの装備とこの装備とこの装備を今すぐマストバイ 2.山登んの!?マジ!?面白いよ!?あっ私たちの仲間になってくれるよねこれとこれとこれ今すぐマストバイ っていうタイプ。ズボンとレインコートしか買ってないのに本当に疲れた。なんかいつのまにか書類書いて入会費1500円払ってモ○ベルの会員になってたし。低気圧で判断力が低下してたわ。家に帰ってからモン○ルの入会特典のばかでかいステッカーをぼーっと見てると、「アウトドアする=幸福な家族」という宗教に染まって思考停止した父親に、散々色々な場所へ連れ回された過去がフラッシュバックした。親父と愉快なアウトドア仲間たちの車にもいちいち貼ってあったわモンベ○ステッカーとお不動さんシール。私は運動が大嫌いであらゆるスポーツを憎悪する子供だったので、みんなで仲良くスキーやキャンプをしたりしている間中ずっと、この中の誰かが突然血を吐いて死ぬとか、今この瞬間に突然世界が終わるとか、死んだ目をしながら物騒な妄想ばかりしていた。それが今は自分の給料から2万も3万も出して、試着室で律儀にサイズ感とか確かめて山ガールのコスプレを揃えてるのだから、回りまわって子供時代の宗教が実は居心地よくて戻ってきただけでわ…??? というダークな気分。苦痛なだけの子供時代とは思春期や成年期になってから自身の挫折の責任を親に転嫁する為都合よく塗り替えられた記憶で実際はそれなりに幸福だったのである、とか分かったようなことを言うつもりは微塵も無いんだけど、まぁでも、そういえば、旅行の前日はそれなりにワクテカしていました。