ハンニバルを見ました

ハンニバルを見ました。羊たちの沈黙を見た時、ファザコンの話だな…と思いましたが、今回はよりいっそうその思いを強くしました。というか「"自分は望んでいないにも関わらず"性的にも相手してくれる、都合のいい全能のお父さんとワタシ」のお話であるところが、自分のあんまり見たくない部分の嗜好に合致しすぎて痛いというか…。オチのレクター博士が自己犠牲で逃げ果せる展開なんかも、都合のいい物語を消費してる時の居た堪れなさがありました。

というか、都合のいい物語を消費すると居た堪れなさを感じるんだけど、あれはいったいなんなんだろうと思います。昨日「きょう会社休みます。」を見てても思ったんだけど、私だったら、8つ(9つ?)年下のイケメンが「ボク、あなたと似てると思うんですよ…」とか言いながら誕生日にケーキ用意してくれたら、「マジ!? こいつ私に気あんの!? セックスできんちゃうん!?」って思うに決まってます。思うに決まってるんだけど、主人公は「えぇー!?どうしよう。私はちっともそんなつもりないのに…」というテンションのまま、最後までヤッてしまうんですよね。(実はヤッてないかも、このあと自分の欲と向き合う展開があるかもですが) この、「私はちっともそんなつもりないのに」という文脈、正直、魅力的すぎるんです。欲と向き合って叶わなかった時のダメージを想定して予防線を張ってるのかなんなのか。そういうところに身を任せてノってしまうのに罪悪感があります。

だからハンニバルも…異常殺人者であるけれども、ワタシのことだけは傷つけず、お上品な趣味で、ワタシを傷つけた男を超残忍な方法でブッ殺してくれて、女のニオイが全くせず(インポなんか!?)、ピンチからお姫様抱っこして助けてくれる…。あなたこそ、パーフェクトパパ!? クソッ…その手には乗らん…というカンジです。