フリーターのおとこのこ

バイト先には大雑把に分けて大学生のおんなのことフリーターのおんなのことフリーターのおとこのこがいる。フリーターのおとこのこは、フリーターであるというコンプレックスのせいか、どこか斜に構えていたり態度が頑なだったりする。私は私で同じようなものだから、いつも鏡が乱反射するような、お互い自分を守るためにあえて的を得ないような会話ばかりしている。先日その中のずっと年下の一人に、実は子供がいるとかいないとかいう話が出た。そいつが「子供が…」と言い出した時に私はドッキーン!! となって、ギャアーッとなって、勢い余って話をスルーした。若いのに挙動に親父臭さみたいなものがあったのはソレのせいだったのかとか、そいつにはどこか安心感を覚えていた私のファザコンセンサーは精度バツグンやないかとか、家族構成や資金繰りはどうなっとるんやとか下世話なことを色々考え、キャパシティオーバーで頭が爆発してしまった。ちゃんと真相を確かめていないので、全部私の勘違いかもしれないが、これがもしフリーターのおんなのこだったら、なんにも思わないだろう。主夫、あるいは、男性に対する、社会の風当りの強さを、自分の中の実感として実感した。そして私は、いい加減な自分のことを棚に上げるため、女という性を利用するしたたかさを、いつのまにか身に着けていたのだなぁと思った。