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身体に棄てられている

日記

私は運動神経が鈍い。学生時代、50メートル走のタイムは13秒後半だったと記憶している。いくらなんでも遅過ぎるのには理由があって、同級生の背中が見えると、突然全身の力が抜けてマトモに走れなくなるのだ。「もうだめだ」と思うよりも速く、身体が自分を見棄ててしまう。ところで、人生は50メートルどころの騒ぎではない。永遠ではないし、次の瞬間には終わるかもしれないものだが、ここまで走ればOKという明確なゴールが存在しない。私はもう、かなりの距離をダラダラと歩き続けて久しい。同級生たちは遥か前方豆粒のように小さくなってもう見えない。追い付こうとして少し走っただけで、尋常ではないほど疲弊して息切れしてしまう。私は身体に棄てられている。